実際にかかった脊柱管狭窄症の手術(入院)費用・料金と限度額認定制度

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このページでは、実際の脊柱管狭窄症の手術でかかった諸々の費用と、それらの費用を抑える国の限度額認定制度などの保険制度についてご紹介します。

手術費用については私個人のものですので、手術の内容や術後の処方によって多少の違いはあるかと思います。そのため、脊柱管狭窄症手術を検討されている方は、「このくらい費用がかかるんだな!」という参考程度にとどめて頂ければ幸いです。

一方で、国民健康保険の制度である限度額認定の制度については、健康保険に入っている方であれば全員が受けられる制度ですので、ご存知でない方は是非内容を理解しておいてください。私もこの限度額認定を利用することで、手術費用を大幅に抑えることができました。

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脊柱管狭窄症の手術費用はズバリ・・・

脊柱管狭窄症手術で発生した費用の内訳は以下の2つです。

  1. 入院・手術費用:1,990,120円
  2. コルセット製作代金:26,147円

合計で2,016,267円となりました。

この金額だけを聞くとギョッとしますが、これは保険適用前の金額です。これから保険の適用により、最終的に以下の金額となりました。

  1. 入院・手術費用⇒限度額認定適用:1,990,120円⇒74,160円
  2. コルセット製作代金⇒健康保険療養費認定適用:26,147円⇒8,682円

合計で82,842円です。

それでは、それぞれの費用の内訳を見てみます。

入院・手術費用

まず何といっても、脊柱管狭窄症の手術を受ける場合には入院・手術費用が支出の大きな割合を占めてきます。
脊柱管狭窄症 手術 入院 費用

費用の内訳は、保険適用医療費:1,959,830円、保険適用食事費用:30,290円合計1,990,120円でした。

さらに保険適用医療費の内訳を医療費の点数の高い順に並べると、、、

  • 手術:123,800点
  • 診断群分類(DPC):48,959点
  • 麻酔:14,250点
  • 入院料:4,359点
  • リハビリテーション:3,775点
  • 医学管理等:630点
  • 投薬:140点
  • 画像診断:70点

というものでした。合計で195,983点。通常の保険診療が1点=10円であることを考えると、保険適用医療費の内訳は金額ベースでは以下のようになっていることになります。

  • 手術:1,238,000円
  • 診断群分類(DPC):489,590円
  • 麻酔:142,500円
  • 入院料:43,590円
  • リハビリテーション:37,750円
  • 医学管理等:6,300円
  • 投薬:1,400円
  • 画像診断:700円

やはり手術費用が一番大きな割合を占めていて、123万円!保険適用医療費全体の63%となっていました。

少し興味があったので、別途頂いた点数の内訳表を見てみました。

脊柱管狭窄症 手術 費用
脊柱管狭窄症 手術 費用

赤枠の箇所が123万円の手術費用の内訳です。内訳点数までは載っていなかったのですが、手術中に使われた薬や体に埋め込まれたボルトの詳細などが分かるようになっていました。

  • 脊椎固定用材料脊椎スクリュー(可動型)×4個
  • 脊椎ロッド×2個
  • 人工骨(専用型・椎体固定用・1椎体用)×2個

等は、まさに体に埋め込まれたボルトの事を示しています。

脊椎固定手術は腰を切開して背骨にボルトを埋め込むような大掛かりな手術です。それが123万円で受けられるというのが高いのか安いのかの感覚は人それぞれかと思いますが、いずれにせよ、そのような手術を責任をもって行う医師という仕事は本当にすごいものだと改めて感じます。

また、せっかくなので保険適用食事費用30,290円についても少し目を向けてみました。

私の脊柱管狭窄症手術の入院期間は、手術前の検査を合わせると延べ19日に及びました。そのうち、食事が出された回数は以下の通りです。

  • 1日目~3日目:3食
  • 4日目(手術当日):0食
  • 5日目~18日目:3食
  • 19日目(退院日):1食

手術翌日は食事の量が少なかったり、実際に術後の痛みや吐き気で食事が食べられないこともありましたが(思い返せば、食事を完食できたのは術後3日目からでした)、合計は49食分の病院食を食べた計算になります。これを1食あたりに換算してみると・・・

30,290円÷49食=約618円/食

という計算になります。この金額も、後述する健康保険の適用対象となりますので、実質的には1食あたりの負担金額はもっと抑えられています。

最終的な負担金額ベースで計算をしてみると以下のようになりました。

16,560円÷49食=約338円/食

コルセット製作代金

次に、入院時に利用した脊柱管狭窄症用のコルセットの費用です。

入院前に採寸を行い、病院指定の特注のコルセットを製作しました。

脊柱管狭窄症 コルセット
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脊柱管狭窄症 コルセット 費用 価格

ベルトが3つついており、腰に巻いた後に前側3か所のベルトを固定することで腰部を補助する器具になります。

サイズを図って製作して頂いていることと、作りがしっかりしていることから税込み26,147円というのは相応の費用かと思っています。

手術の費用を抑える限度額認定制度

多くの方が該当するかとは思いますが、健康保険に加入している方であれば、医療費が高額となる時に医療費を抑える制度として「限度額認定制度」というものが存在します。

これは、所得の5区分に応じて医療費の一部が減免される制度で、退院時に病院に支払う医療費が限度額認定制度上で定められた自己負担限度額に抑えられるものです。

所得の5区分自己負担限度額
区分ア:標準報酬月額83万円以上252,600円+(総医療費-842,000円)×1%
区分イ:標準報酬月額53万~79万円167,400円+(総医療費-558,000円)×1%
区分ウ:標準報酬月額28万~50万円80,100円+(総医療費-267,000円)×1%
区分エ:標準報酬月額26万円以下57,600円
区分オ:低所得者(市区町村民税の非課税者等)35,400円

この制度により、私の医療費は57,600円となりました。

高額医療費制度
脊柱管狭窄症手術を緊急手術という形で受けられる方は少ないかと思いますが、もし緊急手術などで事前に限度額認定制度の申請を行うことができなかった場合には、病院窓口で一時的に医療費の全額を支払い、後日上述の限度額との差額について払い戻しを受けられる「高額医療費制度」も存在します。この場合は、いったん窓口で医療費の全額立替が必要(私の手術のケースでいえば200万円以上)となりますので、可能な限り限度額認定制度を利用することをオススメします。

限度額認定の適用を受けた手順も合わせて残しておきます。

限度額認定を受ける手順1.健康保険限度額適用認定申請書を送付

まず、ご自身が加入されている協会けんぽに「健康保険限度額適用認定申請書」を事前に送付しておきます。
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限度額認定を受ける手順2.限度額認定証を受けとる

協会けんぽ側で申請書類の確認が行われると、所得区分に応じた限度額認定証が発行され、返送されてきます。

私の場合は1週間ほどで認定証が返送されてきました(つまり遅くとも入院1週間前くらいには申請を済ませておく必要があります)。
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この認定証の有効期限は申請受付の月から最長1年間です。

限度額認定を受ける手順3.限度額認定証を病院で提出する

最後に、手術で入院をする際に、病院窓口で限度額認定証を提出します。
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これで、退院日に窓口で手術費用の支払いを行う際、限度額認定を反映した金額のみの支払いで済ませることができます。

実際に私も、1,990,120円の入院・手術費用を74,160円で済ませることができました。

知っておいて損はしない「限度額認定の月またぎ」問題

最後に、限度額認定を受ける場合には、同月内で入退院を済ませてしまうのが最もお得です。

この内容は、こちらのページにまとめていますので、限度額認定を受けられる方は是非参考にしてみてください。
>>知らないと損する限度額認定制度の月またぎの落とし穴!脊柱管狭窄症の手術タイミングは費用面で絶対に月初がお得!

私もこの方法で、脊柱管狭窄症手術費用を最も低く抑えることができました。

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コルセットの代金も療養費認定で3割負担に

限度額認定は手術費用に対しての特例ですが、医療器具のコルセットも療養費認定をされれば通常の健康保険の適用対象となり、3割の負担で済みました。
※ひとまず全額負担し、後ほど7割分の費用が払い戻される仕組みです。

ここでは、コルセットの代金も抑えることができた手順もご紹介しておきます。

療養費認定を受ける手順1.必要書類を揃える

医師が治療上必要と認め製作された装具の購入代金は、保険適用の対象となり、療養費として3割の負担で済むことになります。

しかしながら療養費認定を受けるには、以下の必要書類一式が必要になるため、これらを失くさないようにきちんと揃えておきましょう。

  1. 医証(医師が医療上装具を必要と認める証明書)
  2. 見積書(装具の見積書)
  3. 請求書(装具の請求書※装具の内容明細が記載されたもの)
  4. 領収書(装具代金を支払った際の領収書)
  5. 保険証銀行通帳(払い戻しの受取口座を特定するため)、認印
  6. 申請書(各健康保険窓口ごとの所定の様式があるため注意)
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特に、医証は病院でしか受け取れない書類なので、入院中に確実に貰っておきましょう。また、領収書も器具代金の支払いの際に、貰い忘れがないようにしましょう。

療養費認定を受ける手順2.健康保険窓口での申請

書類が揃ったら、健康保険の窓口に療養費の認定を受けるための申請書類を提出します。

  • 全国健康保険協会加入の方:一般のサラリーマンの方等が該当します。住民票所在の各市区町村役場の国民保健担当係に書類を提出します。
  • 国民健康保険加入の方:自営業の方等が該当します。住民票所在の各市区町村役場の国民保健担当係に書類を提出します。
  • 組合保険・共済組合加入の方:公務員の方や組合保険がある企業等が該当します。事業所(ご自身の会社)の保険担当に書類を提出します。
  • 後期高齢者医療の対象の方:住民票所在の各市区町村役場の国民保健担当係に書類を提出します。
  • 治療が労災保険の適用対象の方:事業所管轄の労働監督署へ書類を提出します。

療養費認定を受ける手順3.あとは入金を待つのみ

書類の提出が完了すると、加入している各種健康保険にて審査が行われ、決定すれば自己負担を除く金額(7割分)が後日払い戻されます。

なお、補足ですがあくまで戻ってくる7割分は消費税部分を除いた金額になります。

私の場合は、コルセット製作代金26,147円のうち、1,197円は消費税ですので、払い戻しの金額は以下の計算になります。

(26,147円-1,197円)×0.7=17,465円

実質的な負担金額は、26,147円-17,465円=8,682円となりました。

脊柱管狭窄症の手術後(退院後)にかかる費用

番外編として、脊柱管狭窄症手術の退院後に発生する費用や料金についても書いておきます。

脊柱管狭窄症手術後には、内服薬を服用するようなことは特にありません

そのため、狭窄症手術の後にかかる費用と言えば、約3ヵ月おきに行われる定期検診にかかる費用くらいです(定期検診の際に処方される湿布の費用などはかかります)。

定期検診自体は、レントゲンやCT撮影を伴いますが、高額になるケースは少なく、もちろん保険の適用もあります。

例として、こちらは私の術後1回目の定期検診費用ですが、自己負担額は1,280円程度です。湿布代込みでこの費用ですので、高くは感じていません。
(参考)脊柱管狭窄症手術退院後経過(退院後10週間)※術後レントゲン定期検査

また、術後6か月が経過した2回目の定期検診費用は、レントゲン写真の費用等もあり6,370円でした。
(参考)脊柱管狭窄症手術退院後経過(術後6か月検診)

こちらについては、そこまで費用は高くないことがお分かり頂けるかと思います。

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まずは手術以外の改善方法に目を向けてください

以上が、脊柱管狭窄症の手術でかかった費用の内容です。

限度額認定や療養費の認定を活用して、手術費用の自己負担額は最終的に82,842円になりました。大掛かりな治療ですので、最低でもこれくらいの費用はかかります。

また、忘れてはならないのは、脊柱管狭窄症手術は腰部の切開を伴う手術であるため、当然に手術リスクが伴うことです。私は無事に症状が良くなったのですが、実際には症状が良化しないケースも残念ながら存在するようです。
(参考)腰部脊柱管狭窄症手術前に必ず知っておきたい13のリスクと後遺症

また、症状が改善しない場合には再手術を余儀なくされるケースもあり、実際に再手術を受けられている方もいらっしゃるのが実情です。

そのため、手術を行うか否かの最終的な意思決定は非常に重要な決断になります。私も1年悩んだ末に、家族と話し合って手術に踏み切りました。

この点、脊柱管狭窄症の症状が重度になっていない場合には、脊柱管狭窄症に特化した適切なストレッチ等で症状が改善・完治できる可能性が残されている点は絶対に忘れてはなりません

脊柱管狭窄症のストレッチ教材は多少の費用が発生しますが、医師が監修しているものでも1万円~1.5万円程で購入することが可能です。これは手術費用の8分の1の費用で済ませることができますし、何よりも手術のリスクを背負うことがなくなります。また、改善実績が高いため、効果が見られない場合には全額返金保証を付けているものも多いです。

手術の費用やリスクを考慮すれば、まずは医師によって監修された症状改善のためのストレッチトレーニングを試してみることも賢い選択の一つです。

全額返金保証がついている実績が高いストレッチ方法についてもこちらで解説していますので、狭窄症で悩まれている方は一度参考にしてみてください。
>>脊柱管狭窄症改善にオススメの鍼治療とストレッチ厳選4つ

脊柱管狭窄症狭窄症の手術をする前に

脊柱管狭窄症手術は費用・時間・手術のリスクが伴う大きな決断です。また、術後の経過次第では再手術を余儀なくされる人も少なくありません。脊柱管狭窄症手術をする前に、適切なトレーニングで手術を避けられないか、必ず一度は試し頂きたい内容をまとめました。

>>脊柱管狭窄症改善・対策にオススメの鍼治療とストレッチ厳選4つ

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手術はとても大変でした
脊柱管狭窄症手術を受ける前に

脊柱管狭窄症は、症状が重くない段階では、適切な改善方法を実践することで症状を改善・完治することが可能です。私のように症状が重度になり手術を受ける前に、是非一度参考にしてみてください。

①現役の医療機関・整骨院が監修で、かつ②返金保証がついているため安心して始められます。


6 件のコメント

  • 拝見させていただき、ありがとうございました
    当方、還暦目前の女性です
    今月末に、検査入院をして仕事の都合上来月クリスマスに手術を受けます
    仕事も年末調整業務をしてからでないと休む気持ちになれずその日を選びました。でも心は、手術の事やリハビリテーション復職の心配で乱れています。
    現役で仕事をしている世代の方のお話を欲しておりました。失礼ながら怖いもの見たさのような感情も有りますが、避けてとおれないことと観念してその日を待つためには、とても参考になりました。
    ありがとうございました。
    お大事に年末をお過ごしください

    • 小林様

      来月手術ですか!
      私の場合は退院までに術後2週間を要しましたので、同じような感じであれば1月中旬には元気に退院できていると思います。
      年末であればご家族の方のサポートも受けやすいと思いますので、術後は無理せずに周りのサポートも貰いながら乗り切ってくださいね。
      私も手術前は色々と不安の方が大きかったですが、今となっては最終的に手術をしてよかったと思っています。
      少しでも参考になったのであれば本当に嬉しく思います。私も応援していますので、頑張ってください!また、術後元気になられたコメントもお待ちしています。

  • はじめまして。
    父が手術が必要な状態になり、病院を探しております。
    費用が病院によっても大きく異なるようで・・・探しても高額な病院ばかりが出て来てしまいます。
    どちらの病院で手術を受けられたのか、お伺い出来れば幸いです。
    よろしくお願い致します。

    • 小山さん

      はじめまして。
      手術はそれなりの費用がかかりますが、当記事に記載のとおり限度額認定などをしっかりと使えば大幅に抑えることが可能ですので、是非ご手配ください。
      小山さまはどちらにお住まいでしょうか?もし私と地域が同じであれば病院名をご連絡させて頂きます!

      • 初めまして。
        こちらの記事を拝見させて頂きました。

        私の母が脊柱管狭窄症で、日常かなり難儀しております。
        手術をさせてあげたいのですが、高額であろう手術代を考えて本人は諦めております。。。

        しかしこちらの記事を拝見して是非チャレンジしてみたいと思いました!
        とても良い記事をお書き頂き、本当に感謝致します!

        大変恐縮ですが、YOUICHI様が手術をお受けになった病院をお伺いしても宜しいでしょうか?
        お手すきの際にお教え頂ければ幸いです。

        どうぞ宜しくお願い致します。

        • rm_rulezさん

          私は福岡県の福岡東医療センターという病院で手術しました。
          特に術後は家族のサポートにとても助けられましたので、家のお近くでいい病院を探してくださいね!

          また術後経過コメントいただければ嬉しいです。
          このようなブログを見つけて頂きありがとうございました!

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